本の要点や内容を短時間で理解する方法として、キーワードを視覚化する「WordCloud」を用いる手段があります。

今回は、Pythonとそのライブラリ「WordCloud」を使って、一冊の本を一枚の画像で要約する方法をご紹介します。文章内で頻出するキーワードが視覚的に浮かび上がるので、長い文章も直感的に捉えられます。


WordCloudとは?どんなときに使えるの?

WordCloud(ワードクラウド)は、文章に含まれる単語の出現頻度に応じて単語のサイズや色を変えて並べた画像です。

よく使われる単語が大きく、色鮮やかに表示されるため、文章の内容をざっくり把握するのに適しています。
例えば、以下のようなシーンで役立ちます。

  • 本の要約:どんな内容がメインか、どのキーワードが多く使われているかを一目で把握。
  • 研究やリサーチ:大量のドキュメントの主要テーマやトピックの抽出。
  • マーケティング分析:顧客のレビューやSNSの投稿などで、注目ワードを簡単に抽出。

今回は、文章の構造や背景知識を持たずに内容の要約を視覚化できる便利なツールとして、WordCloudを使ってみます。


準備:Pythonの実行環境とライブラリのインストール

  1. Python実行環境の準備
    WordCloudの作成には、Pythonの実行環境が必要です。
    Google Colaboratory(Colab)やJupyter Notebookを使用すると、ブラウザ上でPythonコードを実行でき、手軽にデータ処理が可能になります。
    (特にColabは、Googleアカウントさえあればすぐに使えますし、無料で便利なためおすすめです!)

  2. 必要なライブラリのインストール
    WordCloudを使うためにはいくつかのライブラリが必要で、
    特に日本語の文章を扱う場合、形態素解析ツール「Mecab」と日本語フォントがあると便利です。



実際のコード作成手順

必要な準備が整ったら、いよいよPythonコードを実行してワードクラウドを生成していきます。以下の手順で進めてみましょう。

  1. テキストデータの取得
    今回は青空文庫からダウンロードした「走れメロス」を使用します。
    テキスト形式で保存し、Pythonコード内で読み込むと、自動的に解析が可能です。


  2. 形態素解析で単語を抽出
    日本語は英語と異なり、単語の区切りがないため、形態素解析ツール「Mecab」を使用して文章を単語に分解します。

    これにより、頻出単語のリストが作成され、WordCloudでの視覚化に適した形に加工されます。


  3. WordCloudの生成
    WordCloudライブラリを使って、抽出した単語を基にワードクラウド画像を作成します。

    以下のコードでは、日本語フォントを指定し、視覚的に分かりやすい画像に仕上げています。



完成したWordCloudで本を要約!

上記のコードで生成されたWordCloudには、テキスト中で頻繁に使われる単語が浮かび上がり、著作のテーマや重要なキーワードが一目で分かります。

「走れメロス」の場合、メインテーマや登場人物、重要なシーンに関する単語が視覚化されるでしょう。


他の作品にも挑戦してみよう!

WordCloudを使えば、好きな本やドキュメントの内容を視覚的に要約できるので、たくさんの本を読む時間がないときにも内容を素早く把握できます。

ぜひ、他の作品や資料でも試して、WordCloudで内容をまとめる方法を楽しんでみてください!